ムンクこんにちは、ムンクです!
都営住宅への応募、実に全12回。2年8か月もの間、落選しては申し込み、また落選しては申し込む……そんな日々を繰り返していました。
そもそもの目的は、離婚して新しい生活を始めること。そのためには、経済的に都営住宅への入居がほぼ唯一の選択肢だったのです。
ところが、当時の私は少々おかしなことになっていました。
都営住宅に当選するためには一生懸命。でも、当選したら手放さなければならない持ち家や、その先の暮らしについては、どこか別の問題として切り離していたのです。



「手段」が「目的」にすり替わっています



まさにそれ!



わかりみ…
今回は、そんな矛盾だらけの都営住宅応募生活を、入居した今だからこそ振り返ってみたいと思います。
- 当選すること自体が目的になっていた理由
- 持ち家を売っても売らなくても消えなかった不安
- 迷いながらも応募を続けた先に待っていた転機


まずは当選しなければ何も始まらない!
当時の私は、とにかく都営住宅に当選することばかり考えていました。
家を売るにも、離婚するにも、その先の住まいがなければ始まらない。だから、まずは都営住宅に当選する。それが最優先事項だったのです。
もちろん、簡単に当たるとは思っていませんでした。むしろ、半分は無理だろうと覚悟していたくらい。落選通知を見るたびに「やっぱりダメかぁ…」とがっかり。



落選はしんどいよね
それでも次の募集が始まれば、また候補を調べ、応募していました。



次はどこへ応募しよう
振り返れば、そうしている間は、少なくとも前に進んでいるような気がしていたのかもしれません。本当に難しい問題は、その先に山ほど残っていたというのに。
コラム|都営住宅、みんな何回応募している?
都営住宅に何度も応募しているのは、私だけではありませんでした。
2025年に公表された入居希望者アンケートによると、応募経験者389人のうち、11回以上応募した人は31.9%! なんと51回以上という人も。
もちろん、都営住宅の応募者全体を代表する調査ではありません。それでも、長年にわたり応募を続けている人たちの存在が見えてきます。


出典:NPO法人建設政策研究所「都営住宅入居希望者アンケート調査結果報告書」(2025年9月 P.23)
※入居希望者への任意参加調査。応募経験者389人の回答に基づくもので、都営住宅応募者全体を代表する統計ではありません。31〜50回は原資料の2区分を合算。
持ち家を売っても売らなくても不安は消えない
私の心に重くのしかかっていたのが、20年近く暮らした持ち家の存在でした。
家族との思い出が詰まった家。慣れ親しんだ街。何より、持ち家があるという安心感。それらを手放すことに強い抵抗がありました。
ところが、家を持ち続けることにも不安が尽きません。年月とともに傷んでいく建物。次々に必要となる修繕費。これから先、いったいいくらお金がかかるのだろう……。
| 家を売るなら | 家を売らないなら |
|---|---|
| 長年の暮らしと思い出を手放すことになる | 修繕費や維持費の負担が続く |
| 売却資金が残っても先の生活は不安 | 離婚も生活再建も前に進まない |



どちらを選んでも不安



進むも地獄 戻るも地獄1
しかも、私が望んでいたのは、単に家計の負担を減らすことではありません。これまでの結婚生活に区切りをつけ――こちらが「がん」になっても実の息子にも一切かまわない夫と決別し、自分の人生を取り戻すことでした。


それなのに、いざ生活の基盤を手放すとなると、どうしても足がすくむ。
そして、この迷いにはもうひとつ、経済的な問題だけでは片づけられない理由があったのです。
持ち家のある私が都営住宅を望んでもいいの?
もう一つ、私を悩ませていたのが、都営住宅に対する自分自身の先入観2でした。
都営住宅といえば、住む場所に困っている人や、高い家賃を払えずに苦しんでいる人のための住宅。そんなイメージが強かったのです。
一方、私には持ち家があり、車もある。傍から見れば、それなりに恵まれた生活に映っていたかもしれません。



確かにそう見える…



贅沢な悩み⁉



必ずしも「持ち家がある=安心して暮らせる」ではありません
住まいがあっても暮らしを維持することが苦しい。離婚して自立したくても経済的な見通しが立たない。
外から見える豊かさと、実際に抱えている不安は、こんなにも違うものなのか。


今ならそう思えるのですが、当時は自分の中にある「都営住宅に住むべき人」というイメージをなかなか拭えませんでした。
それでも応募をやめなかったのは、やはり我慢し続けてきたそれまでの生活を変えたかったから。
そんな迷いを抱えたまま月日が流れるうちに、今度は自宅周辺の不動産事情が大きく動き始めます。
不動産価格が急騰!そして運命の繰り上げ当選
都営住宅への応募を始めた頃、同時に自宅の売却査定3にも着手していましたが、当時の査定額は期待したほどではありませんでした。多額の住宅ローン残債も抱え、これで本当に離婚後の生活を立て直せるのだろうか……そんな不安も、私の決断を鈍らせていました。
ところが、いわゆるチャイナバブル4もあってか、状況は一変。自宅周辺の不動産価格が急激に上昇し、思いがけない売却のチャンスが巡ってきたのです。
しかも、2025年には不思議なほど出来事が続きました。
予想をはるかに超える金額(母の老人ホーム入居費用に)
「え、ここも⁉」というような勢い
ご近所の売却が立て続き、これなら我が家だってそこそこの値段で売れるかもしれない。まさに「今がチャンス!」と思っていた矢先のことでした。
が、いざ封書を手にすると、喜びに浸っている余裕などありません。



家を売らないと!
そして、次に押し寄せてきたのが「本当にこの状態で売れるのか?」という心配と焦り。当選することばかり考えて、どこか切り離していた現実が、一気に目の前に迫ってきたのです。





物事はタイミングなんだな(つくづく)
けれど、チャンスが巡ってきたからといって、迷いも不安もきれいに消えるわけではありませんでした。
当選の先にも暮らしは続いている
それでは、本記事の着地点です。
- 都営住宅への応募はいつしか「当選すること」自体が目的になっていた
- 家を手放しても持ち続けても不安で決断できないまま応募を続けていた
- 迷いながらも動き続けたことで巡ってきた転機をつかむことができた
当選ばかりを追いかけていたあの頃。今は念願の都営住宅で暮らし始めましたが、悩みや不安が尽きることはありません。今でも、あのとき別の選択をしていたらどうなっていただろう、と考えることがあります。
でも、あれほど変えたかった生活を、自分の手で変えられたことも事実。当選さえすれば何とかなる。そんな単純な話ではなかったけれど、何もしないままだったら、きっと今の私はいません。
どうやら「都営住宅入居大活劇」は、当選がゴールではなく、そこからが本番だったようです。





最後まで読んでいただきありがとうございました!
人生、まだまだ大活劇は続く⁉
- 進むも地獄 戻るも地獄:進んでも退いても困難が待ち受け、どちらを選んでも苦しい状況を表す言い回し。「進退窮まる」に近い意味で、ここでは持ち家を売る不安と持ち続ける不安の板挟みを指す。 ↩︎
- 先入観:十分な確認や検討をする前から、経験やイメージによって形成された見方。無意識に判断を左右し、個々の事情や実態との食い違いを生むこともある。 ↩︎
- 売却査定:不動産会社が物件の立地・築年数・状態・周辺の取引事例などをもとに、売却できると見込まれる価格を算出すること。査定額で売れることを保証するものではない。 ↩︎
- チャイナバブル:チャイナバブル:中国系投資家による日本の不動産購入や資金流入が注目された状況を指す、ここでの便宜的な表現。東京都内の不動産価格上昇には、国内需要や再開発など複数の要因があり、中国資本だけが原因とは限らない。 ↩︎
- 繰り上げ当選:補欠期間中に空き住戸の発生や当選者の辞退などがあり、補欠順位に従って入居資格審査対象者に繰り上がること。補欠期間は2024年5月募集では約半年だったが、2026年の公式案内では抽せんから約4か月となっている(正確な期間は結果通知による)。 ↩︎





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