都営住宅民は車も持てない?「もっと困っている人に譲れ」にモヤモヤした話

都営住宅民は車も持てない?「もっと困っている人に譲れ」にモヤモヤした話
ムンク

こんにちは、ムンクです!

「都営住宅なのに車を持っているのはおかしい」
「高級車に乗れるなら、もっと困っている人に譲るべき」

都営住宅についてネット検索していると、こんな声を見かけませんか?
私は、この言い方にどうしてもモヤモヤしてしまいます。

都営住宅には所得基準があり、入居後に収入が増えた人に対する仕組みもあります。それなのに、外から見える車の所有だけで、その人の暮らし向きまで判断していいのでしょうか。

この記事に書いたこと
  • 都営住宅で車を持つことと居住資格は別の話
  • 併設の駐車場に高級車があると「おかしい」のか
  • 公営住宅1に住む人はどこまで慎ましくあるべきなのか

今回は、実際に都営住宅で暮らす側になった私が、このモヤモヤについて考えてみます。

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「都営住宅なのに車?」にモヤモヤする理由

都営住宅へ入居してから、ネットで都営住宅について書かれた投稿や質問を以前よりも、さらによく見るようになりました。

ChatGPT

生成AIでもかなり調べていますよね

その中で、何度も目に入ってくるのが「自家用車を持つこと」についてです。

都営住宅なのに車を持っている。
しかも、それが新しかったり高そうな車だったりすると、「そんな余裕があるなら、もっと困っている人に譲ればいい」という話になる。

でも、都営住宅には住民向けの有料駐車場が設けられている団地が多数あり、JKK東京にも「入居者向け」の駐車場手続きが用意されています。つまり、都営住宅の住民が自家用車を持つこと自体は、制度の想定外でも特別なことでもありません。
JKK東京|都営住宅・東京都施行型都民住宅 オンライン申請一覧

学人:まなびと

知恵袋とかでも見かける

ムンク

車だけ見てそこまで分かるのか⁉

私は、どうにもそこが引っかかります。
もちろん、都営住宅は誰でも好きなだけ住み続けられる住宅ではありません。所得には基準があり、入居後に収入が増えた場合にもルールがあります。

以前の記事では、都営住宅の収入制限について、貯金や持ち家、財産分与で手元に資金が残った場合まで、私自身の経験をもとに整理しました。

そうした基準を判断する仕組みがちゃんとあるのに、なぜ第三者が駐車場に停まっている車を見て、「この人はそれほど暮らしに困っていない」と決めつけるのでしょうか。

たぶん私がモヤモヤするのは「都営住宅に住む人なら、このくらい慎ましく暮らしているはず」という見えない基準が置かれていることです。

高級車に乗っている=暮らしに余裕がある⁉

とくに目立つのが、「都営住宅なのに高級車」という話です。

実際、この1年ほどを見ても、「都営住宅にアルファード」「500万円以上のレクサス」「市営住宅で新車の高級SUV」といった切り口の記事が繰り返し掲載されています。

それだけ、「公営住宅」と「高そうな車」の組み合わせに違和感を覚える人が多いのでしょう。

ChatGPT

「公営住宅=質素な暮らし」という固定観念も根強いです

まさに、そこです。

・現金で買ったのか、ローンなのか
・中古で買ったのか、家族から譲り受けたのか
・車にはお金をかけても、ほかの支出を抑えているのか

外から眺めただけでは分かりません。それなのに、高そうな車が1台停まっているだけで、「この人には都営住宅が必要ない」とまで話が飛んでしまう。

ムンク

そこに怖さを覚えます…

もちろん、収入が大きく増えても低い家賃で住み続けられるなら、「それは公平なの?」と思うのは自然です。でも、その公平性を判断するために、都営住宅には所得を確認する仕組みがあります。

車の値段から住民の懐事情を推測することと、制度上の居住資格を確認することは、分けて考えるべき!

「もっと困っている人に譲れ」は誰が決めるのか

「そんなに余裕があるなら、もっと困っている人に譲るべき」

つまり、今住んでいる人が都営住宅を退去し、その住戸をより困っている人に譲るべき、という類の発言を、SNS上などで見かけることがあります。

この言葉にも、私は首が傾きます。

学人:まなびと

でも、困っている人のための都営住宅ではないの?

ムンク

人の困りごとは千差万別!

収入だけでなく、家族構成や住まいの状況など、外からは見えない事情も人それぞれ。

都営住宅には、所得基準だけでなく「住宅困窮要件2」もあり、現在の住まいでどの程度住宅に困っているかも入居資格として確認されます。だからこそ、都営住宅には入居後も所得や諸条件を確認する仕組みがあります。

JKK東京の「住まいのしおり」でも、毎年の収入報告から収入超過者・高額所得者への措置、明渡しまで詳しく案内されています。
JKK東京|都営住宅「住まいのしおり」

私自身、資格審査では「持ち家を売却したという自己申告」だけではなく、所有権移転を証明する登記事項証明書3の提出を求められました。誰が住宅を所有しているのかまで書類で確認される。実際に審査を受けて、その厳格さを実感しています。

入居後も、一定の基準を超えれば「収入超過者4」、さらに高い所得が続けば「高額所得者5」となり、明渡しの対象になります。

ここで分けて考えたいのが、次の2つです。

制度が判断すること外から見て分かること
世帯の所得乗っている車
入居年数や収入状況服や持ち物
収入超過・高額所得に該当するか暮らしが豊かそうに見えるか
明渡しの対象になるか「もっと困っている人がいる」という印象
都営住宅の居住資格を判断する基準と外から見える印象の違い

公平であることは大切。でも「誰のほうが困って見えるか」を住民側で審査する話ではない。
限られた都営住宅をどう公平に配分するか。これは制度として考えるべき問題。

一方で、他人の車や持ち物を見て、「あなたはもう十分困っていない」「もっと困っている人に譲るべき」と第三者が決めることは、また別の話だと思います。

そもそも「もっと困っている人」を基準にしたら、どこまで行けば十分なのでしょう。

都営住宅に住む人同士で、不幸の度合いを競う必要なんてない!

私は、そう考えています。

都営住宅は「恥ずかしい」「みじめ」?

都営住宅について調べていると、「恥ずかしい」「みじめ」という言葉まで目にします。でも、その一方でSNSをのぞくと、まったく違う景色が見えてきます。

Instagramには、古い団地を自分らしく整え、そこでの暮らしを楽しむ投稿がたくさん。RoomClip6には、もっと象徴的なハッシュタグがあります。

#団地でも諦めない!
2026年10月現在、投稿された部屋写真は7,000枚超!

サイトには古いキッチンを使いやすくしたり、原状回復できる範囲でDIYしたり、限られた空間を好きなインテリアで整えたりする暮らしが並んでいます。

私自身も、都営住宅へ引っ越してからRoomClipで暮らしを発信するようになり、公式記事などで取り上げてもらう機会もありました。→ ムンクのRoomClip

学人:まなびと

楽しんだっていいじゃない!

ムンク

その通り!ただ……

「#団地でも諦めない!」という言葉を見ると、私は少しだけ引っかかることもあります。

そもそも団地に住んだら何かを諦めるのが前提なの?

好きな家具を置く、便利な家電を使う、部屋を綺麗に整える、出かけたり趣味を楽しんだりする、必要なら車を持つ。

そうした一つひとつを「都営住宅なのに」と見られたら、そこで暮らす人はいつまで「困っている人らしく」していればいいのでしょう。

都営住宅に住むことは、みじめに暮らすことではありません!

もちろん、限られた公営住宅を公平に使うためのルールは必要です。でも、そのルールを守って暮らしている人まで、自分の生活を楽しむことに遠慮する必要はないはずです。

私は、都営住宅に入ったから暮らしの水準を下げるべきだとは考えていません。

むしろ、今ある住まいでどうしたら心地よく暮らせるか。どうしたら、ここを好きな場所にできるか。そこを楽しんでいきたいのです。

都営住宅で暮らす

それでは、本記事の着地点です。

この記事の着地点
  • 都営住宅の公平性は「車や持ち物ではなく制度に基づいて判断」される
  • 外から見える暮らしだけでは、その人が抱えている事情までは分からない
  • 都営住宅に住んでいても自分らしく暮らしを楽しんでいい

「都営住宅なのに車を持っている」
そんな小さな違和感から始まった今回の話ですが、その奥には、もっと大きな固定観念があるように感じます。

公営住宅に住むなら、慎ましく。困っている人なら、困っているように暮らすべき。

でも、人の暮らしはそんなに単純には分けられません。

住む場所によって、幸せそうに見えることまで遠慮しなくていい。

これが、実際に都営住宅で暮らし始めた私の今の答えです。都営住宅を「条件」だけでなく、そこでどんな暮らしができそうかという目線で探せるように作った「ムンクの都営ログ」もぜひご活用ください!

ムンク

最後まで読んでいただきありがとうございました!
団地暮らしを楽しみましょう♪


  1. 公営住宅:国や地方公共団体が、住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で供給する住宅。都営住宅は、東京都が設置する公営住宅である。 ↩︎
  2. 住宅困窮要件:都営住宅の入居資格のひとつ。「住宅に困っていること」を指し、原則として住宅や土地を所有していないことなどが確認される。募集区分によって細かな条件や例外がある。 ↩︎
  3. 登記事項証明書:不動産の所在地や所有者、権利関係など、登記記録の内容を証明する書類。都営住宅の資格審査でも、条件によって所有権移転を証明するため提出を求められる。 ↩︎
  4. 収入超過者:都営住宅に引き続き3年以上入居し、所得月額が入居収入基準を超えた人。住宅を明け渡すよう努める義務があり、使用料には収入に応じた割増額が加算される。東京都の現行案内でもこの扱いが確認できる ↩︎
  5. 高額所得者:都営住宅に引き続き5年以上入居し、最近2年間継続して認定所得月額が東京都の明渡基準を超えた人。住宅の明渡請求の対象となる。 ↩︎
  6. RoomClip:住まいやインテリアの写真を投稿・共有できる、住まいに特化したSNS。実際の部屋づくりやDIY、団地暮らしなどの投稿も多い。RoomClip公式サイト ↩︎
この記事を書いた人
管理人:ムンク

ムンク

人生の難問に「最終解」を探すブロガー

都心湾岸部在住の個人事業主
離婚・持ち家売却・都営住宅など難問の「最終解」を発信!
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